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おじさまと咲姫
第43章 最初
「円城寺と約束した映画…次はもう、行けないよな」
予告でやってたSF映画。
ふたりで行きたかったけれど。
離したくなんかなかった。
でももう、離さなくてはならなかった。
「やっぱ俺じゃ無理だ」
-ごめん。
抱き締めた咲姫の身体を静かに自分から遠ざけて、昴は最後の勇気を振り絞った。
完全に自分の力不足だった。
焦った自分の負けだった。
十近くも年上のおとなに、端(はな)から敵うわけなどなかった。
「もう二度と誘ったりしない。男の約束は必ず守る」
どうにか作った笑顔を残し、椅子から立ち上がろうとする。
「…また放置するんですか」
不快な感情を含んだ声音が昴を留めた。
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