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おじさまと咲姫
第10章 悠眞
「子供の頃だけの憧れだと思ってたから。実は未だに本気って、正直思ってもみなかったから。ちょっとからかいが過ぎた」
-悪かったな。
涙を拭われ。
頭を撫でられ。
昂ぶっていた感情が、少しずつ、落ち着いてゆく。
「きっかけはなんであれ、今でも好きって事は、その気持ちは本物って事で。それをとやかく言う権利は、他人にはないもんな。…しかし、十三年もずっと変わらずってさ。途中、他の男に乗り換えようとか思わなかったわけ?」
「…笑いたければ」
-笑えば?
眉間に皺を寄せる咲姫に、悠眞は僅かに口元を緩め、首を振った。
「一途で凄いなって、嫌味じゃなくそう思ってるよ」
彼が放つ、何気ないひとこと。
さっきはあんなに哀しくさせられたのに、今度は逆に嬉しさに心が満たされてゆく。
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