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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第12章 思惑交差のパーティー
何時までも考え込んで支度に手間取ると、待っている美紀さんに失礼に当たってしまう。
必要な小物類をタキシードの中に忍ばせ部屋から出れば、おばあ様はもう居ない、既に会場に向かったのだろう。
(相変わらず行動力豊かな…
来年は還暦ですよ‥全く……)
やはり血筋なのか、恵美里おばあ様は行動力抜群、まだ59という年齢もあるせいか‥いや、とても来年還暦とは思えない若々しさ。
40後半でも通るような感じで、黙って大人しくしていてくれる人でも無い‥‥これが遠藤家の悩みの種なのだが、当のおばあ様の方は悪気は無く、好奇心旺盛に動いているだけ。
「やれやれ…
ついでに、おばあ様の見張りですか……」
パーティー自体には問題は無い、それこそ20才まで早乙女のお嬢様として育っている為、公的な場での対応は上手い。
問題なのは好奇心の方、これで間々騒ぎを起こしてくれる…
今回、父達の方には話が行っていないので、騒ぎを起こされると後々私が面倒。
それなら、目を光らせておくのが一番、幾らおばあ様でもパーティー会場から外に出る事は無いだろう、その程度なら注意して見てられそうだ。
「・・それより早くでしたね」
おばあ様に気を取られてしまったが、本当に早く行かないと不味い…
まぁ、主賓は最後という風習があるので、遅れる事は無いが、会長は既に会場入りしているだろう。
(・・落ち着いて…
今の美紀さんに、限りなく対応するように……)
私自身も偽る側、お嬢様している美紀さんに合わせなければ‥早乙女恵美里の孫として…
部屋の扉の前で一度大きく深呼吸して、美紀さんが待つ部屋の扉を開けた・・・
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