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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第12章 思惑交差のパーティー
ただ、あれだけ頑なだったおばあ様が、私を早乙女外戚として立たせる事を承諾した。
私も流石に話を聞いた時は驚いた、会長は何を言っておばあ様を説得したのだろうと…
「・・ふぅ…
堅苦しい・・・」
普段着る事などありえないタキシード、内輪に近いパーティーとは言え、この客船のドレスコードは厳格。
男性はタキシード、女性はロングドレス…
フランスらしいと言えばそれまでだが、今時の客船で此処まで厳格なのは珍しい。
着慣れないタキシードに渋い顔をしながら、最低限の宝飾品を身に着け‥これは会長から借りた物だが、今日の会長より豪華仕様。
今日の主賓は私と美紀さん…
限りなく目立つようにとの会長からの指示もあり、最後に普段は掛けない細縁の眼鏡を掛け、少しだけ溜め息を漏らす。
仕事をしている時はコンタクト、それで何時も本社を割と自由に歩いているから、少々イメージを離した方が良い。
そう会長は言い、美紀さんのドレスと共に私の分も会長自ら選び、納得した上で私に渡って来ている。
(本筋だと、これだけ違うのですかね?)
私の給料1年分でも買えないような豪華な仕立て…
第1秘書という事で破格の給料を貰ってはいるが、この時計1つだけで給料全てが飛びそう。
それも宝飾品は全て会長の私物、日常飾り気の無い会長だけに、こういう時はまざまざと格の違いを見せ付けられる。
時と場合によって、様々と自身を変える会長…
プライベートの、あの若々しいラフな格好に始まり……
画家、杉田季永
S級プログラマー、KIEI
クラスターグループ会長 、早乙女紀永
そして早乙女財閥会長と、幾つもの顔を持つ、それも全て使いこなして…
(私が憧れた会長はどれなのだろうか??)
子供の頃からの憧れ…
何時かは会長みたく‥そう思い今までやって来たが、まだまだ追い付けそうにも無い‥‥相変わらず憧れの存在のまま。
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