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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第12章 思惑交差のパーティー
私が叔母に出したカード、それは早乙女本家の婿候補…
あながち間違ってはいない、伊織の心の内だが……
叔母にも言ったように、美紀がそれに応じるかは別問題…
現状で言えば可能性は低い‥私という存在もあるが、美紀が伊織を意識しているという感じは受けない。
二言目には……
『遠藤さんって、絶対私の事子供扱いだもん』
美紀の感覚からすれば、伊織はこうらしい…
まあ‥私と同じく、伊織も美紀には過保護のきらいがある、それが子供扱いと取られるのだろう。
(・・・
それにしても‥お人形が2人歩いているようだ)
この大物達のパーティーの中で、美紀と伊織だけが別次元に見える…
ドレスコードのせいで、スタッフ以外全員タキシードにロングドレスだというのに、2人の間に流れる空気は清浄で綺麗で穏やかなもの。
美紀の演技か、伊織のエスコートのせいか…
会場内をゆっくりと歩き、挨拶回りをしているというのに、全く違和感というものが無い。
これはこれで良い…
美紀も伊織も、周りに強烈な印象を残した事だろう・・・作り物だが・・
「・・・
ずっと、壁の虫か?」
「まあ‥‥
今回私は裏方だよ」
シャンパングラスを2つ持って、朔夜叔父‥いや、社長が私の隣の壁に背を付けた。
「叔母は?」
「今日はだいぶ大人しくしてくれているぞ?」
「流石に孫の晴れ舞台に、騒ぎは起こさないという感じかな?」
社長から、シャンパングラスを受け取り一口…
「たまには大人しくしてて貰わないと適わん…
伊織の奴も、かなり警戒して見ているようだしな」
「だろうね……」
叔母は、騒ぎを起こすという点においたら天才的、伊織もそれを痛い程理解しているから注意しているのだろう。
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