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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第12章 思惑交差のパーティー
「それで?
誰かが動いた‥というのは無さそうだな??」
「葉山からは何も連絡は無い…
何も無いのが一番だが、最後まで気は抜けないだろう」
屋敷から葉山を含め、中谷・平岸・一色・横山と秘書達の中でも特に優秀なのを連れて来て、このパーティーに忍び込ませている。
屋敷の秘書達は外戚関係の見張り、本社秘書では外戚の詳細を明確に明かせない、だからこちら側から出した。
「面倒だな…
身内が一番危ないというのは、だから本筋は嫌なんだ」
「社‥‥叔父は自由な方が好きですからね」
「・・人の事が言えるのか?」
「私は‥‥21年前に諦めた…
今更もう‥自由を求める気も無い」
「・・・
そうだったな、すまん…」
「・・・・・」
私も叔父のように、自由を求めた時期もある…
あの事故と、手元に残った美紀を見て諦めた事だが‥‥私は叔父のようになりたかった。
本当に今更だ・・・
何時までも、紀永にくっ付いていては不信に思われる…
いい加減、壁から離れて姉の見張りと挨拶回りを再開・・・と思ったら・・
「・・しまった……」
会場内には居ると思うが、姉を見失った…
全く、俺とした事が……
場が場なので、焦らず周りを見回して‥‥‥居た、あんな隅に‥相変わらず姉は何を考えているんだ??
悪気の無いトラブルメーカー姉恵美里…
俺も紀永も伊織も、分かっているだけに、目を離さないようにはしていたぞ?
「全く‥姉にだけは適わん……」
早乙女‥いやいや遠藤家でも、姉には手を焼いている、その自由奔放な性格のせいで…
多少早歩きで姉を捕まえようと思ったら、こんな時に限って余計な横槍が入った。
相手は協力関係にある大会社の会長だ、無碍には出来ない…
俺が捕まっている間、頼むから何もしないでくれ‥‥そう神頼みをするしか無い。
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