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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第13章 窮地と救援



「美紀?」


「・・ごめんなさい・・・でも‥‥少しだけ嬉しい・・・」


「ああ・・・」


「悲しくて泣いているんじゃないの‥‥うれし涙だから・・・」


「ああ・・・」


胸に感じる、Yシャツが涙で濡れた痕…
うれし涙‥たまには、こういうのも良いかも知れない・・心が温かくなる・・・



「美紀‥顔を上げて??」


「・・でも、泣いて変な顔だから・・・」


「うれし涙だよね??」


「でも・・・」


「・・大丈夫だから」


おずおずとだが、美紀が顔を上げ…
まだ少し涙で濡れる頬に手を掛け、触れるだけのキス・・・



「・・あっ・・・」


「これじゃ足りない?」


唇が触れるか触れないかの微妙な距離…
互いに見詰め合って、心のわだかまりを解いて……



「・・もっと‥‥紀永・・・」


「くすっ‥‥」


唇が重なる・・・


時々開く美紀のうっとりとした瞳、それに合わせるように絡まる舌‥‥


これだけでも気持ち良く快感と欲望が高まるが、未だ薬が抜けていない美紀の身体、キス以外何かする訳にもいかないだろう。



「・・はぁぁ‥」


「少し‥過ぎたかな?」


「そんな‥事・・・」


上気させた頬、少し熱を持ったような身体…
普段の美紀ならば、この程度で此処まではなりはしない。


やはり快楽で安定した薬の力が、バランスを崩すという事か……



「やはり、もう少し休んだ方が良い」


「・・一緒に寝ちゃ紀永が辛い??」


「いや、辛くはないが…
後でもう一度、米軍のヘリが来るらしいから、邪魔になってはと思っただけだよ」


「もう一度??」


美紀は聞いていないのか??



「ああ…
時間は分からないが、もう一度来ると言っていた」


「そう…
じゃ‥それまででも良いから・・・」


「ああ‥美紀がそうしたいのなら・・・」


昨日のように、美紀は私にくっ付いて…
これで安心出来るようだ。

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