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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第13章 窮地と救援



「特別管理官…
そこまで権限があるのだろうか?」


正式には、そんな役職はホワイトハウスには無い…
多分に重要ポストの傘下‥何処かは分からないが、こんな事を可能にする程の地位を持っているとは理解出来る。


そして‥何故の答えの一部が、意外な場所にあった・・


ぐっすり眠っている美紀を起こさないよう、ベッドに入った時に気が付いた…
枕の下に何か‥紙がある事に……


多少申し訳無さの気持ちはあるが、そっと紙を引き抜き中身を確認。



「・・・・・」


なるほど…
自身が日本に来たのは、この薬を渡す為……


ドラッグの効果は24時間、その足りない分をカバーする為の新薬‥非公認だが安全性は保証されている。


中和剤が切れる度に、軍を出す訳にはいかない米国が、次に考えた手‥という事になる。



(これで、オリバー・スミスが日本に来た理由が説明出来るが・・)


もう1つの新薬…
何故こんな物を??



(今の美紀は、もう使用していない筈なのに…)


確かに前は使っていた、それは主治医を通して知ってはいる…
しかし、あの一件が終わった後、使うのを止めたと主治医から連絡が来た。



(何故今頃・・・?)


もう必要は無い…
それとも必要な何かがあるのか??



(・・・
いや、美紀に限ってそれは無いだろう)


理由が読めない、何故必要としているのかを…
美紀に直接聞けばいい話なのだが、薬が薬なので聞くのも憚られてしまう。



『少しでも体調に異変を感じたら、絶対に連絡する事!』


説明文の最後に、オリバー・スミスが走り書きしたであろうコメント…
向こうも知っていて渡しているという事が分かる。



(・・・
どういう理由なんだろうね・・)


眠る美紀を見詰め、ただ無言で見た紙を枕の下へと戻す事しか、私には出来なかった・・・


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