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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第16章 終章ー紀永の思い
"カシャ・・カシャ・・"
朝‥というか、もういい時間だが、持参したカメラを持って、風景を写す為に外に出て来た。
「・・そう・・・」
美紀が別棟からの風景を気にしていた…
別棟は少し奥にあり、海より南国特有の木々が立ち並んでいる。
"カシャ・・カシャ・・"
こういう風に、ゆっくりと写真を写すのは何時ぶりだろう?
一番多かったのは、子会社に居た頃…
仕事の間を縫って、良くこうしていたものだ。
「後は海と砂浜‥‥か」
別棟から別荘の外を回り砂浜へと下りる…
今日も良く晴れていて、写真を写すには、もってこいの天気。
"カシャ・・カシャ・・"
美紀は気付いたのだろうか?
17才の時、アトリエで見せた写真の数々の中から、好んで選んでいた風景が、この場所だと…
「・・・いや‥‥」
あの様子だと、気付いてはいない…
今こうして見ているアングルとは少し違うのもあり、気が付かなかったのだろう。
「もう少し右側だったか‥‥」
初めに別荘が建っていた位置は、此処よりまだ右寄り…
あの写真はその頃に写したもので、建て替えたこの場所で写した事は無い。
「この場所も良いのだけどね…」
プリントアウトしたら、どんな風に見えるのだろうか?
私のカメラは、既に懐かしいと言われるであろうフィルム式、だから出来上がるまで中身は分からない。
今時のでも良いのだが、この手に馴染む一眼レフを離す気にはなれない…
私なりの思い入れなのだろう。
一通り写し終えて、そろそろ日差しが強くなる砂浜に腰を下ろす。
また、伊織に五月蝿く言われそうだが・・・
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