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第1章 オーディション

ついにその時が来てしまった。「エントリーナンバー28番！朝比奈ゆい！！」ゆいの名前が呼ばれ、会場が湧き上がる。（おへそも隠れているし、きっと大丈夫…！）ゆいは一歩踏み出そうとした。

しかしその時、スタイリストの人が駆け寄ってきたのだった。
「ちょっとゆいちゃん？！何その水着の着方！」「えっ…？」「そんな深く履いちゃだめよ！ほらっ」そういってその人は、ゆいのボトムをずり下げたのだった……（ああっ、、！！）ペロンッとゆいのでべそが露わになる。ゆいは慌てて手で隠したが、スタイリストの目はゆいのへそをちゃんと捉えていた。「あらまあ、ゆいちゃんのおへそ…」「おい朝比奈！！！早く出ろ！！」なかなか舞台に出ないゆいをスタッフが急かす。ゆいは恥ずかしさのあまり溢れそうになる涙をぐっとこらえながら、笑顔をつくって舞台に出た。不安と恐れ、そして羞恥で鼓動はありえないほど高まった。ランウェイを歩き、観客の目の前でポーズを決める。次の瞬間、ふと会場が静まり返り観客の視線が一気にゆいのへそに集まった……

しだいにひそひとそした声が聞こえてくる
「えっ、、みてみて！あの子のおへそなに！」
「だらしねーへそだなぁ！！あんな可愛い顔してでべそかよ笑」
「うわー他は完璧なのにもったいねーーー」観客のひそひそ声が聞こえる。ゆいはもう穴があったら入りたいくらいの衝動に襲われ、しまいにはもう半泣きで舞台を後にした。

しかし、水着審査以外で断トツの強さを誇っていたためか、その日のオーディションでゆいはなんと合格！めでたくアイドルデビューを果たした。（ついに夢が叶うんだ…！）ロングドレスを身にまとってインタビューを受けながら、ゆいは幸せでいっぱいだった。その時ばかりはおへそのことも忘れて、今後の期待に胸をふくらませていた。