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ランジェリー騎士団
第7章 ランジェリー騎士団
いったい、この隊長は約束の時間に何をやっていたのか。
まだ人柄をよく知ってはいないが、昨日の第一印象では、いい加減な女であるとは見えなかった。むしろその逆で――そうだ、夕食後といえば、彼女は自分たちの誘いを断ってまでどこかへと急いでいたではないか、あれは姫との会見ではなかったのか。
だとすると、フェレリーはどこへ?
それを突き止めてみることが、今感じている事態の違和感、本能が鳴らす警鐘への打開策かもしれない。
そう考えていると、部屋の奥から鈴の音のような優しい声がして、メイドのプリンセスガード隊長へのお小言を中断させた。
「フェレリー隊長はきっとお忙しかったのよ。プリンセスガードは設立されたばかりですもの。お話が伺えなかったのは残念ですけれど。マリッサ……貴女がいてくれたから寂しくなかったですし……」
そして、しずしずと歩み出た白いドレスの美しい娘――これがローザンナ姫だろう、ベルラは初めて目にする自国の王女の優雅で気品あふれる様に心を打たれた。