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ランジェリー騎士団
第7章 ランジェリー騎士団

 田舎暮らしでは王女の姿はおろか、肖像画すら目にしたことはない。
 そもそも王侯貴族などにお目にかかる機会など剣闘士にはめったにない。たまに見物に来る地方領主か、他の剣闘士のパトロンとなっている小金持ちの成金――地位を金で買ったエセ貴族――ぐらいのものだ。

 本物の――しかも、この国の高貴なる者の中で最も高貴なる者。
 ベルラはローザンナの御姿の威光に打たれた。

「全騎士、排跪!」

 フェレリーが命令を下し、ベルラ以下プリンセスガードの面々が一斉にレガースブーツの美しい脚を折って床に片膝をつき頭を下げる。

 隊長自身も王女の前に歩み出ると、同じように排跪礼の姿勢をとった。

「プリンセスガード隊、本日よりローザンナ様の警護の任、謹んで務めさせていただきます」
「……よろしくお願いいたします」

 成人前とはとても思えぬ、鷹揚たる態度――それでいて、優しさをも感じさせるローザンナの空気がふわりとその場の全員を包み込む。
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