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ランジェリー騎士団
第7章 ランジェリー騎士団
仕えるに値する相手、壊してはならぬ替え難き貴重な存在、そのような想いを抱かせるオーラを、この王女はすでに身に着けているのだ。目に見えぬ、その魔法の如き力が臣下としての服従を心地良いものにする。
ダージリン三世が溺愛するのも無理はない――王女に関して事前に知っていたのは国民の誰もが知るそれぐらいのベルラであったが、こうして直に接してみれば、それもなんの不思議もないことだと理解できた。
「心してお役目、励ませて頂きます。我が主――」
と、皆を代表して応えようとしたフェレリーが、言葉を詰まらせた。
(……!?)
排跪で面を伏せた状態のまま、異変を感じ取ったベルラがチラリと目だけで様子を覗うと、跪いたフェレリーの後ろ姿が小さく震えている。
「あ、主――……う、ううっ……」
(主……その言葉に何か葛藤があるのか?)