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ランジェリー騎士団
第10章 ミミの受難

 隊員の指揮を途中でベルラに任せて消え失せたことなど忘れてしまっているかのような平然とした口調。
 そして、隣りに立つ連れの男を紹介する。

「こちらは城下警備隊のワコル隊長よ。これから協力して任務に当たることになっているの」
「協力……ローザンナ様の護衛を?」

 ベルラは訝しんだ。
 そんなことは昨日の打ち合わせでは聞いていなかった。

「いいえ、そうではなくて……」

 フェレリーがニコリと微笑む。
 その所作にはすでに、王女の居室から駆け出て行ったときの切迫した様子はなくなっていた。怪しみようのない普通の態度だ。

「……陛下がウェルヘルムの直営専売を許可したことはお話しましたよね?」
「ああ」
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