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ランジェリー騎士団
第10章 ミミの受難
「ウェルヘルムのフィガロ様の仰るには、街には紛い物が沢山出回っているそうなの……専売の約束もさることながら、プリンセスガードの兵装として正式採用されたブランドの偽物を見逃すわけにはいかない……だから、その取締りを我々の隊とワコル隊長の隊とで連携して行うことになったの」
なるほど。しかし、プリンセスガードの役目は一にも二にも王女の警護ではないのか? 偽ブランド品の取締りならば城下警備隊だけで当たればよいではないか。
ベルラがそう口にすると、それまで黙っていたワコルがわざとらしく頭を掻きながら応じた。
「……いやあ、全く副隊長さんのおっしゃる通りなんだがね。なにしろウェルヘルムときたらご婦人の下着のブランドだ。俺達、男ばかりで、女の下着にゃとんと疎くてね……興味があるのはその中身ばっかりって奴で……ウヒッ、ヒヒヒッ……」
冗談にしても品のない物言い。
だが、眉をひそめたくなるのを押し隠して無表情を保ち、ベルラは自分の隊長の顔を覗った。