この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ランジェリー騎士団
第2章 仕立屋の提案
そして――ダージリン三世、畏るべしと言うほかないが――ローザンナ姫が成人を迎えるこの年、満を持して発表されたのが、全国から集めた選りすぐりの女兵士による騎士団、プリンセスガード隊であった。
愛娘のための遠大なる計画がここに実現したのである。
騎士団のメンバーは隊長のフェレリーを始めとして皆若く、ローザンナ姫とたいして違いはない年齢。そして男と比べて遜色のない兵士としての実力を持つ。父親として安心して娘を任せることのできるこれ以上の集団はなかった。
さて、長年温めてきた構想が結実したとあってか、今日のダージリン三世はことのほか機嫌が良さそうだった。
謁見の間の王座の隣に娘を座らせ、次々と参じる者たちのプレゼンに聞き入っている。
何のプレゼンかといえば、プリンセスガードの兵装に関する売り込みなのであった。
ある者は護衛兵の鎧としての用に足る頑強さを、またある者は王女のお側仕えという点に着眼した華やかさを説く。彼らはの職分は幅広く、鍛冶工房の者もいれば、名の通った服飾デザイナーもいた。