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ランジェリー騎士団
第2章 仕立屋の提案

 疲れていないはずはないのだが、口にしない。
 自分の為に父がしてくれていることだと弁えた、そしてその父の心情を慮る、娘の心の優しさと愛情であった。

 もちろん、それのわからぬダージン三世ではない。

「いや、そうだな。フェレリーの言う通りだ。一度落ち着いて全ての案を見比べてからということにしたほうがよいだろう。売り込みの者はあとどれぐらいおるのだ?」

 そう侍従に問う。

「まだ大層控えております」
「そうか……きりがないな。日を改めるとしようか。ん、しかし、遠方より参った者はやらぬだろうな?」
「ちょうど、次の順番となっておりますフィガロ・ウェルヘルム殿は、リルデンガンツシュタット国よりの遠来でございますが……」

 侍従の言葉を聞いて、王のが「なに!?」と小さく声を上げた。

「……ウェルヘルムと申すは、あのウェルヘルムのことか?」
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