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ランジェリー騎士団
第2章 仕立屋の提案

 どこか気品のある顔立ちの背の高い女……としかわからない。

 というのも、彼女は全身をすっぽりとローブで覆っていたからである。フードから覗く顔立ちは、ローラルナの人々と同じ肌の色合いながら、どこか異国風な情緒があり、彼女もまた国外の出身なのであろう。

「英明なるダージリン三世陛下にお目通りかなう光栄に浴しまして……」
「余のほうこそ、貴殿の高名、聞き及んでおるぞ……」
「畏れ多いことでございます……」

 一通りの儀礼を尽くした挨拶がすむと、皆の興味がひとつに集中する。
 それは当然、この一流の設計士が、どのような提案をするかというものだ。

 プリンセスガードの衣装……といっても、つまるところそれは鎧である。ウェルヘルムは貴婦人の衣類で有名だが、兵士の着る服とは無縁。見た目の華やかさを重視しただけの案ならば今日いくつも見せられた。

 そして、王はプリンセスガードには娘に見合った美を与えたいとの考えを持つには持っているが、ただの飾りものにするつもりはないということも、この謁見に今日半日をつき合わされた者たちは嫌というほど知っていた。

 この小太りのデザイナーは果たしてその条件を満足させる案を持っているのか?
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