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ランジェリー騎士団
第2章 仕立屋の提案

「……プリンセスガード隊長、フェレリー・バローミュールだ」

 憮然としたままフェレリーが応える。
 この男、何をほさせようというのか?

「これは失礼を。では改めてフェレリー様、どうぞお願いいたします。このハンカチを……」

 フェレリーは王座を覗った。
 目を合わせたダージリン三世が「よい」と頷く。

 歩み出た彼女はフィガロのハンカチをつまむ指に当たらぬように注意を払って狙いを定め、「やっ」という掛け声と共に白刃を走らせた。

 容易く切断されるもの――誰もがそう思った布きれはしかし、ガキインッという鈍い音を立ててフェレリーの剣を弾き返したではないか。

「こっ、これは……!」

 驚き、我が目を疑ったのは斬りつけた本人ばかりではない。フィガロとその美人助手を覗く全ての者だった。
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