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ランジェリー騎士団
第2章 仕立屋の提案

 咄嗟のことに止めることもできず、息を止める人々。ローザンナ姫が小さな悲鳴を上げて口もとを覆う。

 だが、乳房を下からあぶる蝋燭の炎は、ブラジャーを燃やしも焦がしもせず、美人助手も涼しげな顔に妖しい微笑みを絶やさぬまま炎熱に肉を炙らせているではないか。

 フィガロが蝋燭を彼女の身体の上を胸から腹へ、股から足へと動かしても、その滑らかな美しい白い肌は火傷の痕ひとつつかず、メラメラと燃える炎に肉を舐められながら、異国の女はご丁寧にも優雅にクルリと身体を回して広々とした背と尻にまで実演を施させる。

「腕と足の装備は上質の革ではあるものの、ごく普通の素材です。しかし、セリシムの魔法の力に守られて、このように何事もないのであります」
「で。あれば、革の部分は本来不要であるということだな?」
「はい。両手両脚の意匠は見分けをつけるためにございます……兵士なのか、乱心者なのか」

 その最後の返答のくだけた言い様には王もたまらず噴き出した。

 とはいえ、二の腕まであるロンググローブも、わずかに内股近くの肌を晒すだけのレガースブーツも、ランジェリー同然の胴体部分を引きたてる確かに見事な芸術的設計であった。
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