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ランジェリー騎士団
第3章 羞恥の試着ショー
「そっ……それは……!」
なんと応じたものか。
兵士としての訓練明け暮れ、男との浮ついた付き合いなど考えた事もなかった彼女はは、これまで一度も美しいなどと、面と向かって言われたことなどなかった。
すでに赤くなっていた顔を更に真赤に染め上げて、フェレリーは返答に窮してしまった。
そこを見計らってフィガロが王に進言する。
「プリンセスガードのお披露目はローザンナ姫様の成人のお誕生日と聞き及んでおりますが、なれば日にちもそうありませぬ。仕立ては急いだほうがよろしいですな?」
「うむ……そうだな、間に合うか? その、セリシム絹というのはたいそう貴重なものだと申しておったが……用意は整うのか」
「大丈夫でございます。今は港近くに宿をとっておりますが」
と、宿泊先の名を告げる。それはローラルナでも指折りの豪華な旅宿だった。
「……どこか空いている工房をお貸しいただければ、夜を徹して必ずややお披露目には間に合わせましょう」
「そうか、さすがは当代随一、名うての匠だけはあるな。頼むぞ」
頷く王。するとフィガロはすすっとその傍に近寄って耳打ちをした。
「ところで、さきほどの件ですが……よろしいでしょうか?」