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ランジェリー騎士団
第5章 ランジェリーアーマーの秘密

 そして、部屋に通されたフェレリーは面食らった。

「お待ちしておりました。フェレリ様、ぐぅっふっふ……約束通りお越し頂けて光栄です」

 そこで彼女を迎えたのは中年腹の、自分よりも頭一つ背の低い、フィガロ・ウェルヘルムだったのだ。

「どうして、貴方がここに……!」

 問いを発して、それが間違った質問であると気づく。
 微かに漂う潮の香り……。

 部屋の中にはメイドも王女もおらず、フィガロ只一人。
 調度類も豪華でこそあれ、王城の中のものとは全く違う。

(これは……この場所は……!?)

 そう、発すべき問いは、どうしてフィガロがこの場所にいるかではなかった。

「勿論、ここに宿泊しておりますからなあ……申し上げたでしょう、港の傍の旅宿にてお待ちいたしますと」
「嘘……! 私は、城内を……歩いて……」

 ローザンナとの面会に向かっていたはず。それがどうして……?
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