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ランジェリー騎士団
第5章 ランジェリーアーマーの秘密
確かに、昼間、謁見の間でそういう説明はあった。
だが、それは衝撃で鋼のように硬くなるというものではなかったか。
「鋼と化はたり、炎に耐えるばかりが魔法ではございませぬ。織りなす紋様は無限。いかような魔法でもセリシム絹によって発現させることが可能なのでございます」
「それが……それがなんの関係があるというの!?」
フェレリーの背筋に言い知れぬ冷たい感覚が走る。
あのときこの男に感じた、不安、危険の影……それは自分が考えていたよりもずっと早く、現実のものとなろうとしているのではないか……!
「くっ……」
即座に判断して、身を翻す。
この男が危険人物であるとすれば、ここは敵地の只中も同然。長居は無用である。
扉に体を当てて脱出し、まずは遠ざかることが先決……
だが、
「止まれ、フェレリー・バローミュールよ!」
異国のデザイナーがそう一声発しただけで、フェレリーの体は自由を失い、振り返った状態で動きを止めてしまった。
「ああうっ……! なっ、なにをしたの!?」