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神は現で夢を見る
第1章 prologue~呪怨~呪と怨念~

ズガッ、スガズガズガッ!!


そんな音で形容出来たと思う。


見た目女の化け物に、9本の剣が突き刺さり、最後の1本が、素早く首を切り落とす。


断末魔の悲鳴さえ上げられなかった、化け物。


ゴトンと首が落ちて転がった。




コロコロと、化け物の首が転がって男の足元にやって来る。


くはっっと化け物が眦を釣り上げ、目を剥いた瞬間、男に抱きかかえられている女の、持ち上げた右手の掌から、剣が飛び出して化け物の顔にグサリと突き刺さった。


今度こそ、断末魔の悲鳴を上げた化け物に、女は吐き捨てるように言った。




「あたしの目を盗んで、海に噛みつこうなんて、100年早いわよ。とっとと昇天なさい」


「ふふっ、流石、凪ちゃん。かっこいい」




と、まぁ。


そんな緊張感の無い会話が、日光と庇われている女の元まで、聞こえたのだった。




「ふぅ、終わった……わよね? 」


「ん。終わったよ……。それより、身体、大丈夫か? 」




心配そうに聞く男が、女を抱えたまま振り返り日光、月光の元に歩いて来た。


その目は優しげな眼差しで抱えた女を見ている。


女も彼を見上げていて、慈しむ表情に2人が、今の際まで化け物相手に戦っていたなんて、到底、見えなかった。




お互いを見やっていた2人が、一緒に日光月光に顔を向けて驚いた表情を見せた。




そして、庇われていた女も驚いていた。
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