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ランジェリーの勇気
第2章 破
土曜のスクールの後、彼女はその婦人を誘ってお茶を飲みにいくことが増えた。
その場で婦人とは様々なおしゃべりをした。大学時代や会社での、同じような価値観をもつ、刺激のない友人達とは違う、新しい意見やものの見方に、彼女はとても影響を受けた。
そして彼女はいつしか、その夫人に自分自身の根源的な悩みを打ち明けていた。自分の素直な想いはいつも世の中に受け入れられず、いつも自分はなすがまま、流されるままに生きてきたのだ、と、ともすれば途切れそうになる言葉を継ぎながら、彼女は語った。
婦人はその言葉をしまいまで黙って聞いてくれた。そしてひとつの提案をした。
―――家にあるすべての下着をいったん捨ててしまえ、と。