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ランジェリーの勇気
第2章 破

毎月の稼ぎのある定額を、きちんきちんと下着を買い揃えることに費やした。その間、恋人を持つこともしなかった。どんなに言い寄られても、一生懸命お断りをした。時々抑えきれなくなる性欲は、インターネットで買った道具を上手に使うことでしのいだ。
やがて、何ヶ月かが過ぎ、クロゼットの下着入れには、普段使いからデートの時までの、品の良いランジェリーが揃った。高いばかりで実用性の低い下着を買って後悔したこともあれば、安くても身体に合う下着を見分けるコツのようなものも判ってきた。
気づけば、下着選びは趣味といっても差し支えないところまできてしまった。
例えば和装は趣味ではなく、実用的な技術として習得したが、洋服を買い求めるのと同じような熱情を持って、気に入りのランジェリーを定期的に選ぶようになった。

