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神さま、あと三日間だけ時間をください。
第3章 ♭ミュウとシュン~MailsⅡ~♭
 朝方までに何度、抱かれて絶頂に上り詰めたか知れない。漸く疲れて眠り込んだ琢郎の傍らで、美海は涙も涸れ果てた瞳で天井をぼんやりと見上げていた。
 あれほど烈しく美海を抱いたことなど嘘のように、琢郎は安らいで眠っている。
 不思議なことに、琢郎を見ても憎悪や怒りは湧いてこなかった。ただ空しさだけが美海の空虚な心を支配していた。
 これほどまでに酷い抱き方をされても、自分はまだ琢郎を嫌いになれない。自分の中に夫への気持ちがまだ欠片でも残っていることに、こんな形で気づくとは皮肉なものだった。
 美海の記憶が巻き戻されてゆく。
 琢郎が社会人になって二年目、美海が大学四年の冬、二人だけで初めてスキー旅行に出かけたときのこと。
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