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神さま、あと三日間だけ時間をください。
第1章 ♭眠れぬ夜♭
 美海はまた小さな息を吐き、ドレッサーの上についた付属の小さな明かりを消した。シルクのネグリジェの胸許を無意識の中に直し、立ち上がる。
 さあ、これからがいよいよ勝負だ。自室から一旦廊下へ出て夫婦の寝室へと続くドアを開けると、琢郎は既にダブルベッドに入り、こちらに背を向けていた。
 何もかもを―美海までをも拒絶しているあの背中を見ただけで、折角かき集めた勇気も萎みそうになる。
「―あなた、起きてる?」
 声をかけるのには更に勇気を要した。
「ねえ、琢郎さん―」
 言いかけた時、琢郎のくぐもった声が聞こえてきた。
「何だ」
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