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神さま、あと三日間だけ時間をください。
第1章 ♭眠れぬ夜♭
 いかにも興味のなさそうな声に、心がはや折れそうになる。美海は琢郎の側に近づき、その肩に軽く手をのせた。
「今夜はどう?」
「今夜? 一体、何を言ってるんだ」
 琢郎の声がいっそう不機嫌になった。
「だから―」
 夫婦二人きりの寝室である。この科白だけで美海の言わんとしているところは十分すぎるほど伝わると思うのだが、琢郎は本当に気づいていないのか、フリをしているだけなのか、一向に乗ってこない。
 美海の中で惨めさだけがいや増していく。
「久しぶりに、どうかなあと思って」
 それが美海の口にできる限界であった。
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