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第10章 しのちゃんの受難（六）

「ッ、ああ！」

　奥に欲しいのに、浅いところで注挿される。焦らされているようで苦しい。
　けれど、焦らされているのではないとわかっている。

　宗介は、私の「いいところ」を執拗に穿っている。
　何度も、何度も。
　亀頭が襞を擦り上げ、私の体が歓喜に震える。
　それは、宗介の快楽よりも私の快楽を優先させているということにほかならない。
　宗介は、自分が気持ち良くなる前に、私の体をぐずぐずにとろけさせて、気持ち良くさせたいみたいだ。

「あああっ！　あ、ん、っひ」

　イッたばかりの膣内でそんなに暴れられたら、また来てしまう。ひくひくと中が蠢いている。宗介の欲を受け止める準備は万端なのに、彼がその欲を簡単に吐き出すことはない。

「っ、あ、あ、ふっ」

　宗介が我慢しているのは、顔を見ればわかる。基本的には手探りで攻めながら私の痴態を確認している、そして、「当たり」を見つけては喜びの笑みを浮かべている――そんな人だ。

　そんな宗介が、額に汗を浮かべながら、眉根を寄せて時折苦しそうに目を閉じているのだから、彼の限界も近いのだろう。
　浅いところで腰を止めて動かしている、という体力的な意味でも、限界は近い。と思う。

「そ、すけ、がまっ、あ、しな、いでっ」
「いい？」

　宗介の目がすうっと細められる。
　私はぎゅうと宗介の体を抱き寄せる。胸板に胸の先端が当たって、揺すられるたびに擦れて気持ちいい。

「じゃ、奥にイクよ」
「んっ、んっ、きてっ」

　奥に、質量を増した宗介の先端が当たる。待っていた刺激に、腰が一層揺れる。
　あぁ、気持ちいー……。