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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第12章 しのちゃんの受難(七)

「……」

 少し宗介の下に向かって体を動かして、胸元にちゅうと吸い付く。肌を吸い上げたあと、唇を離して、赤い痕を確認してニヤリと笑う。
 それを何箇所か繰り返して、昨日つけられた仕返しとばかりにキスマークをつけておく。

 宗介は起きない。

 キスマーク三つ目くらいで起きるかと思っていたのに。もしかしたら、低血圧で朝が弱いのかもしれない。
 今日は朝に何を食べようかな。パン? ごはん? 宗介はどっちがいい?

「んん」

 宗介が身じろぎをして私をぎゅうと抱きしめる。肌が触れ合う。
 宗介の腕が私の腰を抱く。ぞくぞくする。
 ペロリと宗介の下唇を舐めてみる。ちょっとかさついている。下唇を甘く食んでみる。

「ん」

 宗介は起きない。
 仕方がないので、頬に手を添えて唇にキスをする。ちょっと唇が動いた?

「小夜」
「わ」

 いきなり名前を呼ばれてビックリした。
 しっかり目を開けた宗介が私を見つめている。もしかして、たぬき寝入りでした?

「もっと」

 甘い声色でキスをねだられると、拒否できない。何度か唇を重ね、舌を迎え入れていると、宗介がそっと私の上に乗ってくる。ベッドで組み敷かれてするキスは、好き。
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