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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第15章 しのちゃんの受難(九)
荷物を机に置いて、ギシギシ鳴る椅子に座り、ため息をつく。
三時間立ったまま喋りっぱなしというのは、結構疲れる。生徒が発表したり、静かに机間巡視をすることもあるけれど、今日は新しい単元だったので、説明することのほうが多かったのだ。
スニーカーを脱いで、スカートをまくり上げて、足を椅子に上げてふくらはぎを揉む。足の裏もマッサージ。
あー、気持ちいい。声出そう。
誰もいないから、できること。誰かに見られたら、行儀が悪いと叱られてしまいそうだ。
「……それ、誘っているんですか」
「っわぁ!」
行儀が悪いどころか、誘っているのか、と聞かれてしまった。
声の主が誰なのかは、すぐわかる。
「そ、宗介!」
「あー、小夜、マッサージしてあげる」
「いやいや、遠慮します!」
「しないでよ。触らせてよ」
目の前に、プレゼントしたベルトが迫ってくる。今週ずっと身につけてくれている。嬉しい、けど。
今はそんなことじゃなくて!
「黒ストッキングってエロいよね」
「前に足触ろうとして蹴られたこと、忘れたの!?」
「……あれは痛かった。けど、彼女がスカートたくしあげて黒ストッキング穿いて誘ってるんだよ? 我慢するのは無理でしょ。勃つよ」
「たっ――!?」
ベージュのスカートを引っ張り上げようとする宗介と、必死でスカートを押さえる私。
攻防の決着は、すぐについた。