この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
君がため(教師と教育実習生)《長編》
第16章 しのちゃんの受難(十)

 最後、実習生たちは会議室を綺麗に掃除してから、帰っていった。
 日々の掃除はしていても、最後に、という実習生は初めてだった。
 私が学園で働き始めてから、見たことがなかったから。
 それだけ、実習生たちの中に大きな思いが残ったのだろう。

 宗介も、さすがに最後の日は実習生たちと一緒に帰っていった。
 たぶん、どこかで打ち上げでもするのだろう。三週間、共に切磋琢磨した仲だ。それくらいは、普通のこと。
「家に帰るまでが教育実習です」なんてことを言う教職員は誰もおらず、穏やかな表情で彼らを見送った。
 来週から平穏な日々が戻ってくるのだ。


 佐久間先生は、今後について一言だけ、アドバイスをしてくれた。

「里見は策士だから、策に溺れないように浮き輪を用意しておいてやれ」

 困ったことがあったら手助けをしろ、ということなのだろう。たぶん。
 ……浮き輪、私には投げてくれなかったくせに、という恨み事は抑えておいた。

 私の浮き輪は自分で用意しておかなきゃいけない。
 外堀は埋められてしまったから、浮き輪なんて必要ないのだけれど、たぶん、今後は、策にはまって溺れてしまいそうな気がしている。
 もちろん、宗介の。
/321ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ