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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第16章 しのちゃんの受難(十)
私だけ煽られるのは、不公平でしょ。
効果は抜群だったのか、一瞬、宗介の動きが止まる。
「里見、くん、いつも、そんなこと、考えて、たの?」
「っ、せんせ……!」
「っあ、もっと、奥まで……奥に、おいで」
国語準備室に響く水の音と、肌を打ちつけ合う音は、たぶん、一生忘れられない。
こんなに、求めて求められて、愛して愛された記憶を、ずっと覚えておきたい。
「小夜、せんせっ」
「里見、くんっ」
私は真面目が取り柄のつまらない教師で、宗介は一途に私を想ってくれた元生徒で、教育実習生。
私は、四年前に酷い言葉で宗介を縛って、今も縛り続けている。
けれど、来年には解けてしまう鎖は、今度は私を縛り付けるだろう。宗介から離れることができない、鎖となって。
一生、縛られ続ける。
「里見、く、あっ」
「小夜せんせ、俺、もう」
後ろからだと、宗介の気持ち良さそうな顔が見られなくて残念。
声も、体も、彼の限界を示している。
腰に添えられていた指に、痛いくらいに力が込められる。肌に爪が食い込むくらい気持ちいいなら、その痕もぜんぶ受け入れてあげる。
「さと、く、いっしょ、に、っあ」
「一緒にイこう」