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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第4章 【回想】里見くんの計画
「俺の後任として学園に入りたい?」
最初、クマ先生は訝しげな視線を俺に寄越した。
当たり前だろう。受験生がそんなこと――受験に失敗せず、無事に卒業できたと仮定した未来のことを言うのだから。
しかし、クマ先生は「できるわけがない」とは言わなかった。
「里見、だっけ? お前、試験はいつも何位だ?」
「三年五組の里見宗介です。総合だと二十位内には必ずいます。数学だと十位以内です。全体的な偏差値としては六十五前後です。伸ばせと言われたら、伸ばします」
「なんで教師になりたいんだ?」
「篠宮小夜を手に入れたいんです」
クマ先生の目が見開かれる。驚いている。まぁ、普通の反応だ。
「好きな女を手に入れたいから教師になる」なんて、イカれているとしか思えないだろう。俺ならそう思う。
俺はイカれている。篠宮小夜に。
クマ先生は長考したあと、「うぅん」と唸った。
「……しの、かぁ。あれ、男がいるぞ?」
「いつか別れます。別れさせるようにいろいろ手をまわしています」
「おま……怖えなぁ」
「目標を達成するためなら手段は選びません。だから、佐久間先生にお願いに上がっているんです。先生の後任として採用されたいんです。そのために、何をすればよいか教えてください。お願いします」