この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
君がため(教師と教育実習生)《長編》
第5章 しのちゃんの受難(三)

「酷い」
「……すみません」
「痛いです」
「……でも、あれは里見くんが悪いと思います」

 玄関に置いてあった傘を取る。カーキの、かわいらしくも何ともない傘だ。
 智子先生のかわいらしいブルーの傘はなかったので、先に帰宅したのだろう。
 いつ飲みに誘おうかな、どこに連れていこうかな、と初めて彼女とデートに行くような男の子の心境で、隣に立ってまだ顎を撫でている里見くんを睨みつける。
 里見くんが足を掴んだりしなければ、蹴り上げることもなかったのに。

「まぁ、そうですけど。蹴ることはないと思います」
「……すみません」
「次は唇を狙うので」
「ねらっ……死守します。でも、そうなったら、殴りますよ」
「望むところです」

 ふふん、と里見くんが笑う。その得意気な顔がムカつく。
 雨は上がっている。成り行きと流れで玄関まで里見くんと来てしまったけれど、もしかして、もしかしなくても、彼は。

「送っていきます。俺の家は方向が違いますが、変質者には気をつけないといけませんから」

 やっぱり、そうなるよなぁ。がくりと肩を落とす。
 里見くんは稲垣くんに対抗心を燃やす子だ。絶対にこうなると思っていたから、今日は遅くに帰りたかったのに、アクシデントもあったし、仕事が早くに終わってしまったので仕方がない。早くお風呂に入りたい。
/321ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ