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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第5章 しのちゃんの受難(三)

 翌日の木曜日は、いつも通りの一日。
 相変わらず放課後になれば里見くんは国語準備室にやって来るし、私が部室へ行こうとするとついてくる。

「ついてこなくてもいいんですよ」
「いや、行きます」

 百人一首部は大盛況。
 いつもはサボり気味の部員たちまで、里見くん目当てでやって来ていた。
 前回サボらずに出席した生徒が呼んできたのだろう。クラス担当でもないと教育実習生と話す機会はあまりないのだ。

 里見くんは女子高生から見ると「イケメン」らしいが、私にとっては「かわいい男の子」だ。稲垣くんも同じ。かわいい生徒だ。

 ちなみに、百人一首部調べだと、里見くんと稲垣くんはイケメン扱い。もう一人の社会科の実習生は「普通」らしい。彼は若干肉付きが良いから、女子高生から見るとちょっと評価が下がるのかもしれない。
 私は三人とももう少し太っていてもいいと思う。

 今日は里見くんも何枚か札を取っていたので、楽しんでくれたようで何よりだ。
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