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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第5章 しのちゃんの受難(三)
智子先生のお付き合い可能年齢は、成人していればオッケー、だ。
だから、私が里見くんや稲垣くんと付き合わない理由がないと憤っているのだ。
ちなみに、里見くんと稲垣くんのことは智子先生にはバレていた。本当に察しのいい人だ。
「智子先生はおいくつですか?」
「私? 私は再来月で二十九歳、アラサーよっ! しのちゃんも知っているでしょ?」
智子先生、それは私が聞いたのではありません。
智子先生の左隣に座っている若い男性からの質問です。
「じゃあ、ちょうど自分と五歳差です。智子さん、自分とお付き合いしていただけますか?」
「……え?」
目を丸くしたのは、私だけではないはずだ。智子先生は箸からサラダのレタスを取り落とし、左隣の――スーツ姿のイケメンを見つめている。
里見くん、稲垣くん、ごめん!
比べてごめん!
本物のイケメンが!
どこかの雑誌から抜け出たかのようなイケメンが!
今、ここに!