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禁断背徳の鎖外伝・遅咲き桜-
第3章 孤独-切れない葛藤



煙草が功を奏してか、それからは余計な考えも起きずに、ただ無心に景色を眺め…


そう‥1つだけ聞きたい事があった・・



「すみません…」


「なんでしょうか?」


「この辺りで、まだ桜が咲いている場所はありませんか?」


「桜‥ですか?」


流石に遅かったのだろうか?


店員は、かなり考えてしまった…
遅咲きでも残っていればと、思っただけだったのだが……



「この辺りだとしたら、函館公園か五稜郭公園…
ですが、遅咲き品種があったかどうか……」


「そうですか…
余計な事を聞いてしまいました」


「いえ……」


この後、夕暮れ近くになるまで、この喫茶店に居てしまった‥あまりにも景色が綺麗だったから。



「少し‥長過ぎましたね……」


駐車場までの帰り道、落ちる夕暮れの太陽を見ながら、また風変わりな墓地の中を歩く。


だが、夕焼けに光るこの場所は綺麗で…


この辺鄙な場所に作ったのか、少しだけ分かる気がする…
遠く地平線の向こうの故郷を、何時でも見えるように‥そんな思いが込められているような気がする。


遥か遠い故郷を・・・






車に乗り元町地区の僻地から、一気に車で15分くらいのベイサイドエリアへ…
この海近くのホテルが、予約した宿泊先、かなり人気の高い場所らしい。


一応スタンドプランから、ワングレード上げていたので部屋は広め…
会長に付き合い泊まるホテルには及ばないが、これはこれで居心地は良い。


ツインルームなので、使わない方のベッドに無造作に荷物を置き、夕食は今日のところはホテル内のレストランで簡単に済ませた。



「1日で観光地1ヶ所とは……」


部屋に戻ってから、窓から景色を見て軽い溜め息…
私には、観光地とか休みとかには、ほとほと縁が無いらしく、上手く使い道が見付けられない。


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