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禁断背徳の鎖外伝・遅咲き桜-
第3章 孤独-切れない葛藤
私も苦労していたが、美紀様の方も……
なるべく会長の私室には近寄らないように、そう屋敷内に通達されていただけあって、3階に行くのは会長と私くらい。
それなので、購入した物は殆ど私が私室に運んでいた‥勿論下着含む女性用品も入っていたので、美紀様は渋い顔。
後々、美紀様が動けるようになってからは、誰かが付くが自身で買いに行くようにはなった…
女性率が低い早乙女邸の悩みの1つとして、今でもこれだけは苦労している。
数少ない女性である新島さんは、美紀様に付いて米国…
残るは妙齢の女性で、20才の女性の好みは分からず、仕方無く会長か私がネットやカタログで選んで、米国に送っているのだが……
「・・・・・」
此処まで来て、考えるのは美紀様の事ばかり…
店内に私しか客が居ないせいか、余計に思いに耽ってしまう‥どこまでも抜けないらしい。
だが、見える地平線は綺麗……
何時までも見ていても飽きない程…
あまり観光というものをやった事の無い私に取っては、こういう風景をのんびり見るという事すら初めてで、考えに耽っていても、目だけは窓の外の海と地平線に向いたまま。
(・・灰皿があるという事は、煙草は大丈夫…)
ココアが無くなり、今度こそ珈琲を追加注文…
昼間から珈琲を飲みながら煙草‥普段の私からは考えられない。
大概、夜遅くにこう‥思いに耽りそうになると、考えを変える為に煙草を吸う。
米国の時は、余計に深みに嵌まったが、普段は本当に気分転換の為。
流れる煙を見ながら、少しばかり気分を落ち着ける、これが普通。
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