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禁断背徳の鎖外伝・遅咲き桜-
第5章 誘惑-ピアノ演奏



今の彼女は、髪を上げシンプルな白のカクテルドレス姿…
少し大胆なスリットが特徴的か?


だが、そのハーフらしい風貌と、夜だというのに魅惑的に光る緑色‥翡翠と言った方が良いような綺麗な瞳に合う、大人の女性の雰囲気。



「そうですね…
リュカと2人きりなら、幾らでも弾きますが?」


「随分嬉しい事を行ってくれるわ…
そうね、考えてみようかしら??」


「いくらでも……」


此処で次の演奏の時間だったのか、彼女はまたピアノの方に行ってしまった。


それを目端で追いながらも、今は演奏と酒を楽しむ事にする・・



(・・こっちに来てから、煙草の本数が増えた)


函館に来て何箱目だろう??


何時もは買っても月に1箱か2箱…
酒という相乗作用か、こちらに来てからは、もう数度購入、これは本格的に煙草が止められ無くなりそうな感じがする。


(バレなければ、構いはしませんがね)


そんな、たわいも無い事を考えながらも、耳だけは彼女の演奏に向いている。


今の感覚だと当たりがありそう‥そう思うのは私だけか??


話術で人の腹の内を探るのは仕事柄、ちょっとしたニュアンスの違いでも素早く読み取らなければならない。


特に会長の場合、公私のメリハリが強いので、その辺りも考慮して動かねばならず、小さなニュアンスの違いも直ぐに読み取れるようになった。


そんな会長と共に居ると、後の相手は楽なもの…
大概表現やニュアンスで相手の感情が読める‥本当に仕事柄ならでは。


先ほどの彼女のニュアンスなら、少なからずも悪い印象は持っていないよう、それを最大限に好印象に持っていくのは、私の話術の腕次第。



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