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禁断背徳の鎖外伝・遅咲き桜-
第5章 誘惑-ピアノ演奏
(少しペースを落とさないと、本気で酔いますね…
それも少々不味い)
酔いやすいカクテル類を避けビールにはしているが、数を飲めば同じ事。
此処で本気で酔うのは都合が悪い、もう少し試してみたいのだから・・
酒と煙草で、どれくらい時間が経ったのだろうか??
彼女が本格的に私の隣に座り、酒を飲み出した…
「・・伊織って、どんな曲を弾くの?」
「基本はクラシックですね、後はオマケ程度‥そういう場が多かったとも言いますか‥‥」
「正統派…
クラシックばかりなんて、何処のご子息様かしら?」
「そんなのではありませんよ、ただ親が外交官‥それだけです」
「外交官‥だから私みたいのを見ても驚かないのね」
「私は綺麗だと思いますが‥ハーフは両方の良いところが表に出る…
リュカはまさに良いところばかりを取ったと、私は思いますよ‥その綺麗な翡翠色の瞳も…」
真っ直ぐに彼女の瞳を見詰める…
その翡翠のように輝く薄緑の瞳を一直線に……
「本当に‥そう言ってくれるのは嬉しいのよ…
観光の街で、外国人観光客は多いけど、こうしてハーフが暮らしているのは少ない‥‥どちらかと言えば好機の眼差し、それが一番多いわ」
「好機より、羨ましく見ている‥そう思えませんかリュカ?」
私も体験した事、海外の中の日本人の子供…
違う毛色に好機の眼差しは来るが、同じ言葉で話し、同じ行動を取っていれば、好機はやがて羨望に変わる。
「そういう考えは無かったわ…」
「海外居住で身に付いた事ですよ…
好機と羨望は紙一重、自身の思いと行動で如何様にもなる‥‥違いますかリュカ??」
「・・・
その通りだわ…
凄い目と感を持っているのね伊織って……」
その姿で、少し笑う仕草がまた・・
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