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Oshizuki Building Side Story
第6章 Flapping to the future!


 久しぶりに重ねる朱羽の肌は熱く、しっとりと汗ばんでいる。
 慣れた感触が心地よくて、あたしは彼の肌にそっと唇を寄せる。

 傷跡に口づけると、朱羽は僅かに吐息を漏らす。

「痛い?」
「痛くはないけど、あなたにそうされると……気持ちいい」
「ふふふ。じゃあもっと気持ちよくなって?」

 あたしは傷跡に舌を這わせ、その滑らかで男らしい肌に舌先を蛇行させては、強く吸い付いた。

 消えぬ、あたしのものだという証を――。

 白皙の肌はあたしの拙い愛撫で、艶めかしい赤色に染まり、潤んだ目をして微笑んであたしを見る朱羽は、淫ら以外のなにものでもない。

 あたしは朱羽の両手を、朱羽のネクタイで縛り上げ、動きを拘束してみた。
 おとなしくしているものの、どこか戸惑うような頼りなげなその表情が、オスの色気と混ざり合い、蠱惑的な艶を見せる。

 ああ、朱羽はすべてが綺麗だ。

 このひとを、あたしはもう手放さない。
 こうやって縛り上げてでも、あたしのものにしたい。

 そんな加虐的な支配欲に酔いながら、朱羽の胸の突起を口に含むと、朱羽が僅かに身じろぎして声を出し、片足をたてる。

「朱羽、女の子みたい。ここ、硬くさせて……可愛い」
「そんなこと……っ」

 朱羽は恥じらえば恥じらうほどに、色づく。
 それは、白い無垢な花が、紅に染まっていくかのようで。

 ……それをあたしが、散らしてみせたい気にもなる。
 
「ん……朱羽、美味しい」

 舌で転がし吸い付き、甘噛みすると、また朱羽がみじろぎをする。
 弾力ある感触が病みつきになり、指の腹でもこりこりと捏ねていくと、朱羽が悩ましげな呼吸を繰り返した。

「陽菜……、手、外して」
「駄目」
「あなたに触りたい」
「代わりにあたしが触ってあげるから」

 胸を愛撫しながら上目遣いで朱羽を見れば、情欲の炎を揺らめかせた目で、切なそうにあたしを見ている。

 彼もあたしに触れずに10日。
 こうしたあたしの動きはもどかしくてたまらないのだろう。
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