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Oshizuki Building Side Story
第6章 Flapping to the future!
 
「もう、別れるなんて思っちゃいけないよ?」
「思わない」
「俺は、あなただけを愛していると信じて?」
「信じる」

 朱羽が嬉しそうに微笑み、ねっとりと舌を絡ませ合う情熱的なキスをしている間に腰を揺らして、主導権の交代とばかりに下からあたしを突いてくる。

 くちゅくちゅというキスと、じゅぽじゅぽという下のキスが、いやらしいハーモニーを奏でる。

「あ、っ、ああん、あ、あああっ」
「ああ、可愛い。陽菜、俺に見せて。気持ちいい顔、俺に」

 間近で視線を絡めて喘ぎ、たまらないと言った顔で再び唇を奪う朱羽は、突き上げを大きくする。
 生で擦れ合う熱い粘膜は、総毛立つほどの快楽で。
 そして彼はいつも以上に猛って、あたしを翻弄させた。

「ああ、陽菜。あなたの中、凄い。うねってる……」
「朱羽に、抱かれたかったんだもの……。ああ、好き。朱羽のすべてが好きっ」
「俺も。抱きたくてたまらなかったあなたの元に戻れて……あなたの愛を貰えて、奮えがとまらない。ああ、もっと、もっとひとつになりたい」

 拘束された朱羽に拘束され。
 彼の欲情した匂いを嗅いで、あたしは上り詰める。

「ああ、陽菜……中に、いくよ? 子供出来ても、結婚の方が……先、だからっ」
「うん、結婚しても……毎日、して……」
「そういうこと、言うなよ……っ」

 擦れ合う音が激しくなり、熱が汗となって飛び散る。
 一緒に溶け合う悦びに嬌声を上げながら、全身が性感帯になったかのような大きな渦に飲み込まれるようにして、あたしと朱羽は同時に弾け飛んだ。
 
「あああ、あああああっ」
「く――っ、陽菜、俺――っ」

 耳元で苦しげな朱羽の声。

 そしてイランイランの匂いが最高に濃くなったと思った瞬間、朱羽の熱い迸りが、絶頂に震えるあたしの中に飛散する。
 今まで感じたことのないその熱が、どうかあたしから消えないようにと祈りながら、幸せな余韻に酔い痴れ、知らず知らずに朱羽の腰に足を巻き付かせて、彼のすべてを受け止める。

 隔たりがないのがとても嬉しくて。
 この幸せなまま、赤ちゃんが出来てくれないかなと思ってしまう。
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