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Oshizuki Building Side Story
第6章 Flapping to the future!

 やがて荒い息を整える朱羽と目が合うと、長いキスをした。

 いつの間にか解けたネクタイ。
 朱羽の指があたしの指に絡みながら、あたしの下腹部を撫でる。

 ここに2人の赤ちゃんが宿りますように。

 まるでそう言っているかのように思えて、あたしはキスをしながら泣いてしまった。

 すると朱羽は満ち足りた、それでいて困ったような顔で、何度もあたしの顔にキスの雨を降らせた。

「あたし、朱羽が好きだよ?」
「うん、わかってる」
「どんなイケメンが現れたって、あたし靡かないから」
「本当に?」
「なんでそれは信じないの!?」

 こうしたやりとりも出来なかった10日間。
 本当に寂しかった。
 朱羽が他の女を抱いているのではと思うと、嫉妬に狂いたくなった。
 朱羽に嫌われたくなくて別れようと思ったものの、辛くて堪らなかった。

 それは、相手が朱羽だったからこそ。

 あたしの永遠のひと――。

 そう言うと、朱羽の目から涙がこぼれ落ちた。
 涙を口で拭うと、朱羽が涙声で耳に囁く。

「明日、結婚式場見てこようか」

 早!
 このひと、行動早!

「明日金曜日だよ? 普通に仕事ですけれど」
「大丈夫。明日は休む予定だから」
「は!?」
「あなたを探すのに、シークレットムーン社員達と、忍月の力で警察やSPを総動員させたんだ。それくらいしないと、恥ずかしいだろう?」
「いや、ちょっとなに、なにを動かしたって?」
「後処理は渉さんがうまくやってくれるから、大丈夫」

 にっこりと、悪びた様子もなく朱羽は笑う。
 
 いやまあ、朱羽がキレかかるとどんな力を使ってでも実力行使に出るのはわかっているつもりだったけれど、忍月の力を……となれば、どれだけの規模が、勘違いして去ったあたしの探索に駆り出されていたかと思うと、気が遠くなりそうだ。

 ……確かに、どこにいるかもわからないのに、朱羽の駆けつけるのは早かった。
 そして人混みの中で痴話喧嘩と仲直りを披露したけれど、それは観客だけではなく、付き合わされた可哀想な人達も、その結末を見守ったということ?

「こら、寝ないの。これだけでは寝かせないよ?」

 人騒がせな責任をぽぉんと渉さんに押しつけた朱羽の眼差しは甘いこと。
 お兄ちゃん達、巻き込んで本当にごめんなさい。
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