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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!

……だけど、俺を頼ってくれたことが満更ではない俺は、ほんのりと酒気を帯びた頭で考える。
「あからさまなのがよくないんじゃ? 悪いけど、彼女、かなり頭がいいから、結城さんの下心なんてお見通しなんだろうし。だったら、それを悟られず、彼女の意識が別にいくようなセッティングを考えてみれば?」
「たとえば?」
「先に外堀を埋めるとか。逃げ道があるから逃げるのなら、逃げられないように追い詰める」
「怖ぇー! 秀才の御曹司、怖ぇ~!! ……で、具体的には?」
恐らくは結城さんは、陽菜にしろ真下さんにしろ友達づきあいが長すぎて、恋愛関係に持ち込むタイミングを推し量れないのだろう。
「……ふたりきりで意識しすぎるのなら、皆が一緒にいれば自然体になるんじゃ?」
「え……、見られているってこと?」
「違うって。あくまで皆がいるのは連れ出すまでで、その後は結城さんに任せて、俺達は退くし」
結城さんは腕組みをして考えているようだ。
「海、行くか。お前も鹿沼も、三上や渉さんカップルも皆呼んで」
「……陽菜も?」
「お前、あからさまに嫌そうな顔で独占欲丸出しにするなって! もう見ねぇよ、鹿沼の水着姿!」
「もう見ないってことは、前は見ていたってことか!?」
「噛みつくとこ、違うだろう? お前もっとゆとりを持てって! ゆとり……」
その時、ひとの気配がして俺も結城さんも、横を見た。
そこにいたのは、露出度の高い服装をして、しなを作っている女ふたり。
「あの……、一緒に飲みませんか?」
どちらもきっと、世間一般には、可愛いと言われる部類に入るのだろう。
……恐らく、多分。
「「結構です」」
俺も結城さんも同時に却下して、背を向ける。

