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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!

「あ、あの……」
それでもしつこく声をかける女に、俺はため息をついて振り返る。
「今、友達の大切な人生相談にのっているんだ。邪魔しないで下さい」
「そ、相談なら私達も乗れます!」
……いらっとくる。
「俺と彼が惚気る恋愛と結婚話、訊いていて面白いと思えます?」
俺達に相手がいると知るや否や、謝罪の言葉を残して消えていく。
「はぁ……。衣里があんな風にちょろい女だったら苦労しねぇのに」
結城さんが盛大なため息をついて、くだを巻く。
「ちょろい女なら、結城さんは好きになっていないと思うけど?」
「そうなんだよ、そうでさ……。はぁ……」
再び大きなため息をつく、結城さん。
「じゃあ海の計画をたてよう。明日は金曜日だから、土日というのは?」
「え、あさって俺告るの!?」
驚きと焦りの顔を見せる結城さんに、イラっとした俺は、びしっと人差し指を突きつけて言った。
「男なら早く行けよ! 覚悟を決めろ!」
「……はい。香月課長、怖い……」
……きっと、俺も存分に酔っているのだろう。
社長に説教を食らわしながら、俺は計画をたてるのだった。

