この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Oshizuki Building Side Story
第2章 Shooting the moon

寝顔が、ある。
混乱する頭でわかったことは、ここはホテルで。
さらに言えば、ビジネスホテルとかではない、もっとチープで怪しげな内装の部屋で。
……ここは多分、ラブホで。
でかいダブルベッドの上。
「………」
恐る恐る布団を捲れば私は裸で、床に散乱するのはあたしの服や下着のすべてと、あたしのものだけではない服と下着も脱ぎ散らされている。
え……。
一気にあたしは青ざめ、上体を起こすと頭がズキズキした。
不慣れなこの症状は、よく聞く"二日酔い"?
酒に……飲まれたの、私!?
隣に居るのは結城で。
結城と同じベッドで寝ていて。
そして、重苦しい下半身。
ヤッた。
間違いない。
私、結城と寝たんだ!!
そう思っていたら。
「……おはよう」
結城が目を開けて私を見ていた。
掠れた声。
「そんなに怖がるなよ」
少し照れたような、はにかんだ顔。
……それが無性に腹が立った。
「したの?」
「え?」
「酒に酔った女を、無理矢理ヤッたのかって聞いてるのよ!!」
言って、拒否感に全身総毛立つ。
「は? 覚えてねぇの?」
責任がないというような結城を見て、軽んじられたと思った私の目から、涙が零れた。

