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Oshizuki Building Side Story
第3章 praying for Moon


 猫の種類は、ぬいぐるみという意味の「ラグドール」。
 
 真っ白いふさふさとした毛並みに、硝子玉のように透き通る青い目。

 まだ子猫だが、成長すると大きくなるらしい。
 ベビーピンクの肉球がついた手と握手をすると、その感触からして悶絶してしまうほど可愛い猫で、しかも人なつっこい。

 朱羽は本家で、当主に突きつけられたその子猫を見て、涙目でふるふると震えるほどに感激したようだ。

 後で聞けば、渉さんと沙紀さんが色々なペットショップを回って選んだ猫らしい。当主はこの猫を使って朱羽が自発的に本家に来るように仕向けただけではなく、名取川文乃と猫という接点を持つことも目論んでいたとか。

 そんな思惑があって飼われた猫ちゃんは、バニラと名付けられて本家で皆に可愛がられながら、朱羽を待っている。

――バニラは可愛いけど、でもね、陽菜が一番だよ?

 そうベッドで囁きながら、あたしを啼かせ続けた朱羽と身体の疼きを思い出し、スマホを握りしめたまま、朱羽の膝の上で真っ赤になってしまった。

「スマホを握りしめて真っ赤になって、なにしてたの? 浮気?」

「ちが……ぅん」

 朱羽は、上から覆い被さるようにして、自然に唇を重ねてくる。これはアメリカ流の挨拶なのか、朱羽という男の持つ甘さなのかよくわからないけれど、最初のあの、ひとを拒むような鉄仮面を思えば、別人のようで。

 キスをした直後の、朱羽の……熱情に満ちた男の眼差しに、いまだ慣れず照れてしまい、髪を伸ばすようにして引っ張りながら、顔を隠して起き上がる。

「はは、もっと凄いキスを何度もしてるのに、これくらいで」

 朱羽は黒いマグカップを口に付けながら、優しく微笑む。

 キスをすると、それまでよりさらに朱羽を好きになる。
 これが愛情MAXと思いながら、さらに幅が広がる"好き"という気持ちは底なしだ。
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