この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Oshizuki Building Side Story
第3章 praying for Moon
 

「神様は、どっちを応援しているんだろうね……」

 小さくなってもまだ声が聞こえてくる。

「あの専務、開き直ってきたよな」 

 朱羽が忌々しそうにぼやく。

「でもカドが取れてきたから、よかったんじゃない? 渉さんとも飲みに行ってるんでしょう?」

「まあね。あのふたりは、本当に仲が良かったから……。昔のような渉さんの笑顔を見れたのは、ある意味……専務を開き直らせた木島くんのおかげもあるかもしれないな」

 ……木島くんも脇にいない人間で、やがて次代シークレットムーンを背負っていくのだろう。

 いつもしゅうしゅうとしているが、デザイン力だけではなく統率力もついてきた木島くんは、結城とまた違った形だけれど、皆をまとめあげている。

「木島くんが、社長になることも夢じゃないか」

「はは。辛い時期のシークレットムーンを見てくれているから、辛いムーン時代を見てくれた結城さんのように、会社を守ろうと奮起してくれるかもね」

「言いたい放題で怖い物知らずのあの感じなら、木島くん、向島専務と仲良くやっていけそうだし」

 あたし達は笑いながら境内を歩いて行く。


「結構あちこち回ったね。厄祓っただけではなく、色々なお札やお守り買ったから、俺、無敵になりそう」

「はは。朱羽が無敵になったらどうするの。既に無敵なのに」

「あはは……ってあれ?」

 朱羽が足を止めて、鳥居を潜って入って来たカップルを見た。

「え? あれ?」


 それと結城と、和装をした衣里だった。


「なんで私が、あんたと一緒に縁結びの神社に来ないといけないのよ!」

「その割には、着物なんて気合い入っていねぇか?」

「私はお嬢様だったの! 元旦に着物は常識の真下の家に来たくせに、あんたわかってないの!?」

「ああ、お前をくれって言った時のこと?」

「あんたね、言い方がいやらしい……ひ、ひひひひ」

「なんだよ、変な笑い方して。って、かかかかかか、ここここここ」


 あたしと朱羽が立って見ていたのに気づいたふたりは、なにやら突然奇声をあげてにぎくしゃくし始めた。
 
/152ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ